ミュージカル「鶴姫伝説」
愛媛の坊っちゃん劇場でロングラン中のミュージカル「鶴姫伝説~瀬戸内のジャンヌ・ダルク~」が広島で特別公演
をしたので、先週のシルバーウィーク中に知人のお誘いで日帰り観劇した。しまなみ海道10周年記念作品で、地元の伝説を基にしたミュージカル。作・作詞は高橋知伽江。制作・わらび座。
鶴姫は、しまなみ海道の大三島に鎮座する日本総鎮守大山祇神社の大宮司・大祝安用の娘。世は天下争乱の時代で、周防大内氏が勢力を広げ、瀬戸内海の制覇に乗り出してきた。大祝氏は代々神職を務めていたが、大三島が侵略されそうになると一族の代表を統括者として出陣。鶴姫の次兄は大内軍を撤退させたが討死したため、16歳の鶴姫が一族を率いて戦場へ、という物語だ。海の平和を守る宿命を背負う鶴姫は、戦いによって憎しみが憎しみを生むことに苦しむ。誰かがこの連鎖を断ち切らねば…と。鶴姫を心から愛し、鶴姫の願いをわが身を持って遂げようとする若者クロタカ。女として鶴姫の葛藤を知り、救おうとする幼なじみの娘カモメ。最後にクロタカが返り討ちに遭い、敵方の祝宴の席でカモメが敵の隙を知り鶴姫に連絡、血も流さずに勝利する。
まさに瀬戸内のジャンヌ・ダルクか、ベルばらのオスカル的でもある。「戦いによって憎しみが憎しみを生むことに苦しむ」というのはアイーダにも通じること。鶴姫の碓井 涼子が歌・芝居ともに溌剌と凛々しく演じ、クロタカの神 敏将も端正なマスクで好演 振付は宝塚の尚すみれが担当しているため、デュエットダンス
が宝塚チックでこの二人によく似合っていた。初めて見たわらび座制作の舞台はたった13人の出演者。舞台装置も襖絵のようなものを組み合わせたり、階段状のセットを出演者が手動
で動かして船に見立てるなど工夫が見事。地方でこのような感動的な舞台に出会えるなんて
さすが来年3月まで1年のロングランを続けるだけのことはあるな~。
公演が始まる前に広島観光で、広島が初めてという知人に付き合って原爆ドームと原爆資料館も見学。私は原爆ドームは数十年ぶり 資料館は連休中とあって館内いずれも大行列でゆっくりとは見られなかった。
| 固定リンク
コメント